障がい者手帳について
障がい者手帳を取った方がいいですか?
病気になって通院したり、日常生活でいろいろな困りごとが出てくると、「障がい認定受けた方がいいよ」というアドバイスを周りの方からされることがあります。
障がい者手帳は持っている方が何らかの障がいを持っておられることの証明で、障がい者手帳を持っていることで障がい者向けの制度を利用しやすくなります。
障がい者手帳の種類
障がい者手帳には、身体障がいを持たれている方向けの身体障害者手帳、知的障がいを持たれている方向けの手帳(療育手帳、愛護手帳、愛の手帳など発行している自治体によって呼び名が違います)、精神障がいを持たれている方向けの精神障がい者保健福祉手帳の三種類があります。
身体障がい者手帳はお医者さんに障がいの程度についての診断書を書いてもらうのですが、診断書の様式が決まっていて、その診断書を書ける資格を持った指定医に書いてもらいます。骨折して歩けないからとか、ぎっくり腰で動けなくなったからといって身体障がい者手帳は取れません。治療してもこれ以上は良くならない(障害固定)ということが条件になるからです。
知的障がい者向けの手帳は等級が3段階だったり4段階だったり、自治体によって違いがあるようです。大阪府の場合は子どもの間は児童相談所(子ども家庭センター)で検査を受けたり、生活状況の聞き取りを受けて、総合的に等級が判定されます。18歳以上の大人の場合、判定する場所が障がい者自立相談支援センターというところになります。
精神障がい者保健福祉手帳は精神科や心療内科などに通院して6ヶ月以上経った時点で、規定の診断書を書いてもらいます。精神障がいのために障害年金を受けている場合は診断書の代わりに年金証書で申請することもできます。発達障害の子どもで知的障がいがない子や認知症のお年寄りで精神障がい者保健福祉手帳を取る方もおられました。
それぞれの障がい者手帳の受付窓口は自治体によって違います。障がい者手帳を取りたいと思ったときは、お住まいの市役所(区役所、村役場など)で相談しましょう。
障がい者手帳のメリット
障がい者手帳を取ると、障がい者向けの制度が利用できるようになります。
税金面で障がい者控除が受けられたり、障がい者向けの福祉サービスが受けられたりします。その他にも条件に当てはまればNHK受信料が半額や全額免除になるとか、テーマパークなどの入場料が障がい者料金で安くなったり、自治体運営の施設の利用料が減免されたり、細かい優遇措置があります。
働く時に、障がい者向けの求人に申し込むこともできます。ハローワーク(公共職業安定所)には障がい者向けの窓口がありますので、相談しながら仕事を探すこともできます。
障がい者手帳のデメリット
障がい者手帳を持つデメリットがあるのは、自分が障がい者なんだと思うと気持ちが沈んだり、自分がダメな人のように感じたりする場合です。
障がい者は世間的には少数派なので、社会の中で生きる時に不具合を感じることがあります。社会は多数派向けに作られているからです。
先天的な障がいがない人でも、事故や病気で障がい者になる可能性は誰にでもあります。障がい者が少数派であるために、差別の対象になったり、偏見の目で見られたりすることがあるのは悲しい事実です。
本来、障がいがあるために社会で生きづらい方に対して、その生きづらさを緩和するための障がい者手帳にデメリットがあるのはおかしなことです。
利用できる制度を活用しましょう
障がい者手帳を取ったら、そのことが周りの人に知られるのではないかとか、家族に何かマイナスの影響があるのではないかと心配する方がおられました。しかし、障がい者手帳は持っていることを誰かに言わなければ、その人が障がい者手帳を持っているかどうかはわかりません。発行している自治体が第三者に障がい者手帳の情報を漏らすことはありません。
障がい者手帳を持っていることで利用できる制度はいろいろあります。福祉サービスは少しずつ改善されていて、障がいを持ちながらでも自立した生活を送りたいと思っている方の助けになります。
どんな制度があって、自分には何が利用できるのか、どういうサービスがいいのかということは、お住まいの自治体の相談窓口に訊ねてみましょう。