発達障害について

発達障害という言葉を聞かれたことはあるでしょうか。
「学習障害(LD)」「注意欠如・多動性障害(ADHD)」「自閉症スペクトラム(ASD)」という特性を持っている方々を発達障害という言葉で表現することが一般的になっています。

仕事の中で出会った発達障害の特性を持つ方々

学習障害(LD)

その方は職人的なお仕事をされておられましたが、書字障害があって住所や名前が書けないので、会社や役所に出す書類などは全て家族が代筆されていました。

学習障害という方の特性は何か特定の分野(読み書きや計算など)だけが極端に苦手で、努力しても苦手をどうにも克服できないというものです。

そのため、どうしてこんな簡単なことができないのかと非難されがちです。ご本人もできない自分を責めてしまったり、できないことを理解してもらえないことで傷ついたりすることがあります。

しかし、できないことはその方のほんの一部分にしかすぎません。そういう特性があるだけだということを知ることが大切です。

注意欠如・多動性障害(ADHD)

ある方は、道を歩いていて前からくる人を避けようとする時、なぜか同じ方向に避けてしまうのでぶつかってしまうんです、とご自身の特性を説明してくださいました。

別の方は、仕事で車の運転をするとよくぶつけてしまうので、会社の人から運転するなと言われるんです、というエピソードを教えてくれました。

落ち着きがなかったり、そそっかしいために日常生活や仕事の場面で失敗することも多く、自分でもなぜだろうと思って調べると、ADHDだったということがあります。

いろいろなことに興味を持って、頭の回転も早く、次々にアイデアを生み出し、行動的な方も多いです。

自閉症スペクトラム(ASD)

窓口に相談に来られたその方は口数が少なく、どういう相談で来られたのか説明することが苦手なようでした。

別の方はたくさんお話をしてくださるのですが、言いたいことが何なのか理解できなくて、相談内容をつかむのにとても時間がかかりました。

人とのコミュニケーションに特徴があり、スムーズなコミュニケーションが難しい部分があります。空気を読んで行動することが難しいため、周りの人から誤解されやすく、傷つき体験を持たれている方は多いと感じます。

その方のコミュニケーションの特徴などが分かれば、裏表がなく真っ直ぐで純粋な方が多く、変な気遣いなくお付き合いができます。

また感覚過敏のある方も多く、耳栓やイヤーマフで不必要な音をカットすると楽になったり、サングラスをかけて目に入る光の量を調節している方もおられました。

発達障害と環境化学物質

発達障害に関連する物質

昔に比べて発達障害の方が増えているという調査結果があり、その原因は環境化学物質にあるという研究結果があります。

妊娠中に摂取すると明らかに胎児の発育に影響のある物質(アルコールやニコチン、一部の薬)がありますが、それらの化学物質の影響で発達障害になる可能性が高まるという研究結果があります。

また、農薬の使用や工業化が進んだことでいろいろな化学物質が生み出され、それが環境汚染につながって、知らず知らずのうちに体に取り込んでいるという現状があります。

私の関わっていたある方は、自分によく効く漢方薬があるけど効きすぎるので、規定量より減らした量を少しずつゆっくりと飲んでいる、と教えて下さいました。

発達障害の方が化学物質に対する感受性が高い(影響を受けやすい)のは、元々影響を受けやすかったために発達障害になったということなのかもしれません。

環境化学物質との付き合い方

今の日本では環境化学物質を完全に避けることはできませんが、日々の生活の中で化学物質のことを少し気にして、不必要なものを極力避ける努力はできます。

例えばPM2.5が飛ぶ日は外出しないようにするとか、光化学スモッグ注意報が出ているときは室内で過ごす、食べ物や日用品に含まれている成分を気にするなどです。

発達障害の特性を持たれているなら、環境化学物質のことを少し気にした生活をしてみて、自分にプラスになるかどうかを試してみてもいいかもしれません。