開業することになったわけ

私は保健所(保健センター)で精神保健福祉相談員として37年間勤めてきました。

定年退職後はのんびりと好きなことをして生活しよう、でも社会との繋がりがなくなるのもなぁ…なんてことをぼんやりと思い、自宅の近くで自分に出来そうな仕事を探してパートで働いてみようかとか考えながら仕事をしていました。

一方、自己啓発のため(ほとんど趣味で)心理療法の勉強もしてきました。相談の中で学んだ心理療法をすることはありませんが、自分の視点や考え方の幅が広がることで相談に来られた方には間接的にプラスにはなっていただろうと思います。

背中を押してくれた一言

ある時、相談に来られた方の中に私を気に入ってくださる方がおられて「浜崎さんを必要としている人はたくさんいる」と言ってくださいました。

退職が近づくにつれ、今までの経験や学んできたことを活かさないともったいないような気がしてきて、私を必要としている人がいるとすればどうすればいいのだろう、と考えて出た答えが個人開業でした。

相談業務の中でカウンセリングを受けたいというお話を時々聞きました。精神科の病院には心理士の先生はおられますが、カウンセリングを希望する患者さん全員に対応できる人数はおられません。心療内科のクリニックで心理士の先生がカウンセリングをされている所は少数です。カウンセリングで開業しておられるカウンセラーさんはインターネット検索すれば出てくるものの、玉石混交だという話もありますし、自費で費用も高くつきます。行政の相談窓口で情報提供するのは難しいのが実情でした。

昔カウンセラーになりたいと思っていた時期もあったんだし、紹介できるところがなければ自分ですればいいじゃない!(何と単純な考えでしょう)

やりたいことを自由にできるところが個人開業の魅力です。上手くいかなければ早々に店をたたんで慎ましく年金生活すればいいやと考えると気負わずにできます。

精神保健福祉士であることの強み

お悩み相談を「それは大変ですね」とひたすら傾聴するよりも、ヘルパーさんを利用できるように支援する方がいいことだってあります。会社でのパワハラで傷ついたお話を延々聞くより、病院受診して傷病手当金をもらいましょうというアドバイスの方が役に立つこともあるでしょう。そういう相談対応も出来るところが精神保健福祉士であることの強みだと思います。

私は公認心理士や臨床心理士といった心理系の資格はありませんが、ソマティックな心理セラピーを学んできましたので、トラウマがベースにあって生きにくさを感じている方や、自分を深く知りたいという方のお役には立てるでしょう。私にとっての個人開業はまさに趣味と実益を兼ねたものです。

私を必要としている方と出会い、私の持っているものとその方が元々持っておられる力をブレンドすることで、笑顔が増えて幸せの形を見つけていくことができれば、本当に素晴らしいことだと思います。そんな出会いを望んでいます。